「和解させて下さる神様」  08.08.24 
                  創世記 32:22〜33:4
                   朝位憲義神学生

 何者かが夜明けまでヤコブと格闘した。ヤコブは答えた。
 「いいえ、祝福してくださるまで離しません。」「お前の名は
何というのか」とその人が尋ね、「ヤコブです」と答えると、
その人は言った。「お前の名はもうヤコブではなく、これからは
イスラエルと呼ばれる。お前は神と人と戦って勝ったからだ。」
 ヤコブが目を上げると、エサウが四百人の者を引き連れて
来るのが見えた。ヤコブはそれから、先頭に進み出て、兄の
もとに着くまでに七度地にひれ伏した。エサウは走って来て
ヤコブを迎え、抱き締め、首を抱えて口づけし、共に泣いた。
 ヤコブは神様を求めている際も、神様と向き合いながらも罪を
犯していました。神様に従うよりも逆に神様を自分に従わせたいと
思うくらい、自分の立場を優位に立たせることばかり考えていました。
 他人に対しても同じで、他人を全く顧みないで、押しのけてまで
自分の欲望を満たす自己中心的な生き方をしていました。結果、
ヤコブは人を騙し、そこから偽装が生まれ、人間関係の破綻が
生まれ、二十年間の逃亡生活を余儀なくされました。
 私たちも罪の問題を根本的な解決を避けて、誤魔化そうとして、
逃げたいと思う時があります。しかし、罪の問題が解決されない
ままに放置しておくと、試練の時に、どんなに自分の知恵や
力だけでその試練を乗り越えようとしても、人に対しての恐れや
不安がいつまででも付きまとう人生を歩むことになるでしょう。
 ヤコブはぺヌエルで神様と祈りの戦いをしました。その時に、
今までの神と他人を押しのける性格(罪)が完全に打ち砕かれ、
新しく、イスラエルとして神様と共に歩む人生へと変えられました。
 神様に全幅の信頼を置き、完全に委ねる祝福が与えられた
ヤコブには、あれだけ恐れていた兄エサウを恐れることなく、
自ら先頭に進み出て誠実で謙遜な態度をとり和解を果たすことが
できました。
 私たちも神様(イエス・キリストの十字架の愛)との関係に
生きる時に隣人との関係をも祝福(和解)させてくださいます。